漫画のタイプ
企業は漫画家個人ではなく、漫画の編集者と契約すべきとお話ししました。
とくに、企業グループを形成するクラスの大企業であれば、確実に漫画編集者と契約し、ネットに漫画雑誌を展開して雑誌のブランド力を高め、より多くの読者を獲得する戦略の方が効果は高いのです。
では次に、『どういったタイプの漫画』が、企業の商品やサービスをアピールできるかを、見ていきましょう。
説明漫画ではダメなワケ
一番に思いつくのが、商品やサービスを説明する『説明漫画』です。
ですが、これがダメなんです。
説明漫画は完全にダメと言うワケではないですが、効果が非常に薄いのですよ。
コ、コイツ、何言ってんだ・・・と思われましたか?
ですが、説明漫画ではダメな理由が、ちゃんとあるんです。
説明漫画を依頼された経験のある、宣伝広報部の方でしたら、何となく気付いている方もいると思います。
説明漫画では、大した効果はないのでは無いかと。
漫画をご自分でチェックもして、商品もしくはサービスの説明も、ちゃんとキレイにされてるのに、何故か効果が薄い。
そう思った経験はありませんか?
実はこれ、当たり前なんです。
理由は、説明漫画には『決定的に足りないモノ』が、あるからなんです。
説明漫画に足りないモノが何か、お解りでしょうか?
実は『面白さ』が決定的に足りないんです。
面白さが必要な理由
え?
説明漫画なんだから、面白くなくても別に構わないのでは・・・とお思いかもしれませんが、実は大いに構うんです。
なぜなら読者は、『面白い漫画だから読む』のであって、単に漫画にしたから読むなんてことはありません。
確かに漫画は、商品やサービスをわかりやすく説明するのに、向いています。
ほとんどの説明漫画は、その辺はクリアされていると思います。
でも、漫画雑誌に連載されている名作漫画にはある『読ませる力』が、説明漫画には無いのです。
説明漫画が載っていたところで、その媒体を手にしようとは思わないでしょう?
ボクはこの『読ませる力』を、『引力』と呼んでいます。
著名な名作漫画には、絶大な『引力』があるのですよ。
引力は時に、『時代や常識すら変える力』を持っていました。
漫画の引力が及ぼした影響
・『ヒカルの碁』
この漫画では、小学生の子供にまで囲碁を打たせる引力がありました。
囲碁はそれまで、年配者のやるイメージがどうしてもありましたが、それを子供にまで普及させ、囲碁ブームを巻き起こしたのです。
さらにはネットを通じて囲碁を打つ、海外の方も増えました。
・『キャプテン翼』
この漫画では、全国的にサッカーブームが起き、毎朝ボールを蹴りながら登校する小学生までいました。
彼らの中から多くJリーガが生まれ、そのうちの何人かは『大空翼』のように、世界へと羽ばたいて行きました。
・『弱虫ペダル』
この漫画を読んだ若者は、自動車よりも自転車にお金をつぎ込むようになりました。
言い方を変えると、あの世界のトヨタから客を奪ったのですよ。
こんな芸当は、とてつもない宣伝費をかけたとしても、ほかの宣伝媒体では起こり得ないでしょう?
でも説明漫画には、こんな芸当はできません。
なぜなら説明漫画には、面白さ=引力が決定的に不足しているからです。
次回
では、『引力』とは、何なのか?
どうして有名な名作漫画には、そこまでの爆発的ブームが起こせるのか?
それは次回、お話できればと思います。
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